山行初心者におすすめです。
本書の書かれた目的が序文(「はじめに」)に、次のように記されています。「山に登りたいけど仲間がいない、ハードでない単独行をしてみたいけど『不安がいっぱい』という人を応援するためにまとめたのがこの本です。」著者本人については次のように記されています。「私は、十年あまり単独行主体の登山を続けてきましたが、今、振り返ってみると、たいしたアクシデントこそなかったものの、冷や汗の連続でした。・・・おっかなびっくりで山に登りはじめたのが二十八歳のころという遅咲き、狂い咲き。いつしか山のとりことなり、十二年たってみたら山行回数が240回を越え、山行が生活の柱のひとつになっていました。・・・ところが今では・・・」 (著者は1946年、香川県生まれ。1988年深田百名山完登。この本は、その前年の1987年7月初版1刷) 副題に『単独行者のための体験的アドバイス』とあるとおり、本書は単なるノウハウ本ではなく、全編、著者の体験・経験に基づくものです。ですから読んでいきますと、運動具店で用具選びで共に迷ったり・・、また、「ひとりぼっちの山歩き」をしている著者と共に「おっかなびっくり」山行をしているような気分にもなってまいります。 私もそうでしたが、山行初心者(特に単独行志望者)は、本書から得るところたいへん大きいと存じます。
山と渓谷社
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